GR 86/BRZ Race

2018 TOYOTA Gazoo Racing 86/BRZ RACE PROJECT REPORT VOL.8

第9戦 鈴鹿

 2018年シーズン「TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race」もいよいよ最終戦を迎える事となりました。プロフェッショナルクラスとクラブマンクラスの2クラスで争われているこの参加型モータースポーツ。今年の延べ参加台数は両クラス合わせて850台を超え、大会が行われる度に参加台数が更新されました。最終決戦の地は、今年の開幕戦でもあった鈴鹿サーキット。10月27日(土)に予選・決勝が1日で行われるワンデーレース開催となりました。

 クラブマンクラスのシリーズチャンピオンの座は、前大会のツインリンクもてぎにて#70庄司選手に輝き、今年の圧倒的な強さが強く印象に残ります。

 一方、プロフェッショナルクラスは最終戦までもつれこみ、#谷口選手、#織戸選手、#佐々木選手の3名の最終決戦となります。埼玉トヨタ・エンドレスの花里選手も前大会で初の表彰台を獲得。今大会も良い結果になるよう、レース前のフリー走行ではコースのチェックや車両のセットを入念に行いました。

鈴鹿

 27日の午前中8時に行われた予選では、夜半から降り続けた雨の影響でコースは完全ウェット。濡れた路面からの予選スタートになりました。雨は止んでいて天気は回復の方向の為、後半に行くほど路面コンディションが良くなり、タイムがあがります。マシンを送り出すタイミングがチームの鍵となります。

 予選は2組に分けられ、予選1組に振り分けられた埼玉トヨタ#703花里選手は、スリップ等で赤旗中断になると予想して予選時間15分間をフルに使う作戦で、序盤からアタックをかけていきます。1組トップタイムをマークしたのは、#610大島選手で2′38″ 496でポールポジション。

 2組は、#305水野選手が2′39″833でクラストップを獲得しました。 花里選手は、2′41″260で両組の総合で、9番手を獲得しました。花里選手のタイムより上位は、ダンロップタイヤ勢でウェット路面での強さも発揮、ブリジストンタイヤを履く、花里選手はブリジストンの中ではトップタイムで、スタートの内圧が良い方向にあたりまずまずのタイムをマークしたと言えました。

鈴鹿

 予選が終了して約7時間後に決勝レースがスタート。天候は完全回復で路面はドライ。 予選を通過した40台のマシンがグリッドに並び、レッドシグナル点灯からオールブラックアウト。一斉にスタートがきられ1コーナーに進入していきます。1コーナーに飛び込んだのはポールポジションの#610大島選手。初のポールポジションからのスタートで後ろからはベテラン勢の強烈なプレッシャーを感じながらのドライビングでオープニングラップをトップで通過していきます。

 一方、埼玉トヨタ花里選手はスタートをうまく決めてポジションをひとつ上げて1コーナーに入っていきます。無事に1周目を確認してチームはピットからLAPを重ねていくマシンにサインを出していきました。

 しかし、3周目にドラマが待っていました。スプーンカーブで失速した前方の2台の隙をついて横に並び、3台は鈴鹿サーキットの最高速をマークする130Rコーナーに3台並びで飛び込み、いちばん外側にいた、#703花里選手が押し出される形でコースアウト、クッションバリヤに激突してレースを終えることになってしまいました。

 幸い、コースアウトした時の車両のコントロールがよく、大きなケガもなく車両も最小限のダメージで停止していました。チームもピットで非常に心配しましたが現状を知り、安堵しました。

 レースはその後荒れた展開で、同じ130Rで大きなクラッシュが起こりSCボード掲示(コース上の危険な状態)

 その後レースは赤旗終了となりました。その時点で規定周回を終えているのでレースは成立、優勝はポールポジションからスタートした#610大島選手が守り切り初優勝。

 2位は#0神谷選手3位にはシリーズチャンピオンを決めている、#70庄司選手が入りました。

 注目のプロフェッショナルクラスの戦いは、OTGの#80菅波選手がもてぎ大会から2連勝。シリーズチャンピオンは、ポイントを着実に重ねてきた、神戸トヨペットモータスポーツの#82谷口信輝選手が3年ぶり3回目のシリーズチャンピオンとなりました。

 2018年シリーズの全日程は終了。熱い戦いはここ鈴鹿で閉幕となりました。

 また「2015年からプロフェッショナルシリーズとクラブマンシリーズの2クラス制になりましたが、2019年からはクラブマンシリーズの中でエキスパート/オープン(仮称)のクラスが設置されます。クラブマンシリーズは2クラス制になりますが混走を想定していて、エキスパートはプロフェッショナルシリーズと同様に未使用のタイヤでのスタートが義務付けられ、オープンクラスは現状の規定と同じく中古タイヤでの出走が可能です」との発表もありました。今後のレース形式にも注目がされていくと思われます。

 3月からスタートしたシーズンでしたが、これまで沢山の応援や温かいお言葉を頂きました。ありがとうございます。モータースポーツ活動を通じて繋がったお客様や社員の皆様に支えて頂きました。今後も活動の場を大切にしてクルマファン拡大の一つを担っていきたいと考えています。

1年間応援ありがとうございました。
モータースポーツ室 渡邊

鈴鹿
鈴鹿

RACE RESULT-Rd.8

RANK No. Driver Car name Total time Gap
1位 610 大島 和也 TeamMDI/BSR86 12′54″117 -
2位 0 神谷 裕幸 N中部GRGミッドレスDL86 12′54″428 0.311
3位 70 庄司 雄磨 OTG DL 86 12′54″605 0.488
4位 305 水野 大 リキモリ制動屋ピース剛式86 12′55″303 0.698
5位 731 松原 怜史 GR-G神戸垂水86BS 12′59″387 4.084
6位 3 小野田 貴俊 Epsomsalt.jp86 13′00″320 0.933
7位 13 田中 良平 デルタモータースポーツ枚方 86 13′00″932 0.612
8位 92 森山 欽也 T‘sCONCEPT86 13′02″080 1.148
9位 804 山下 昌樹 NUTEC アライズ 86 13′03″623 1.543
10位 760 岩本 佳之 C名古屋メサイヤ86 13′02″080 1.148

参加台数83台

2018 SERIES POINT RANKING

RANK NO. Rd
開催地
決勝日
決勝台数
第1戦
鈴鹿
4/1 79台
第2戦
菅生
4/29 台
第3戦
AP
5/27 台
第4戦
岡山
6/24 台
第5戦
富士
7/22 台
第6戦
十勝
8/18 台
第7戦
十勝
8/19 台
第8戦
もてぎ
9/23 44台
第9戦
鈴鹿
10/28 40台
合計ポイント
1位 70 庄司 雄磨 0 11 22☆ 16 23☆◎ 16 21 16 13◎ 138
3位 0 神谷 佑幸 22☆ 1 16 22☆ 9 9 9 1 16 105
3位 25 水谷 大介 17◎ 16 6◎ 7 13 13 12◎ 21 1 106
4位 84 橋本 洋平 11 0 7 1 16 22◎ 16 4 1 78
5位 713 松原 怜史 0 21 3 1 11 2 4 5 9 56
7位 521 中島 佑弥 13 7 1 1 1 7 7 10☆ 0 47
7位 305 水野 大 7 1 11 9 1 4☆ 5 - 11 49
8位 703 花里 祐弥 0 5 - 1 7 - - 13 0 26
9位 760 岩本 佳之 1 4◎ 13 1 4 - - 3 2 28
10位 610 大島 和也 0 - - 2 - - - 1 22☆ 25

☆ポールポジション ◎ファステストラップ
※有効ポイント制 全9戦中の獲得ポイントの高い5戦のポイントが採用されます